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生薬の覚え方4

さて、段々と生薬の記憶法に近づいてきました(笑)。

タイトルには生薬としてありますが、植物、動物、鉱物など由来の薬を包括してお話しますので、ここからは中薬という呼び方に変えますので、ご了承ください。

さて、この新编 中药记忆法 金盾出版社の本には、中薬記憶法として14の方法が紹介されています。そして、今日は、この記憶法の根底に敷かれている理論について説明します。

1.中医整体観の外延

外延ってなんだか難しい言葉ですね。広辞苑で調べてみたら、ひろがり、延長、ある概念の適用されるべき事物の範囲となっていました。

これは、整体観の理論を中薬学の暗記にも拡げて用いていきましょうというように理解しました。

例を挙げてみると、中医学の経典と呼ばれる黄帝内経のなかに、「酸入肝, 苦入心, 甘入脾, 辛入肺, 咸入肾」とあり、五味と五臓の関係が表されています。また、「毒药攻邪, 五谷为养, 五果为助, 五菜为充, 气味合而服之, 以补益精气, 四时五脏, 病随五味相宜之」とあり、中薬の性味と人体は密接に関係していること、中薬の記憶には五行説の理論を基とすることの重要性が示されています。

またこの整体観というのは、中薬の全体像もきちんと把握することにもつながります。植物には花が咲く時期、薬として使用する場合に収穫する時期、また栽培される場所など様々な要素が関係して、薬として有用なものとなります。そのため、中薬を学ぶ場合には、その気、味、形、質、地道(産地)、気候などの理解も重要になってきます。

2.形象思維の内包

内包は外延の反対語です。形象思維とは、物事を具体化、形象化して比較分類していくことを意味します。

中薬では、形態、性味、効能、産地、季節、質地などを組み合わせて記憶していくことを表します。

例えば、中医学では五色は五臓に属します。赤だと心、血に関係があります。そこで、紅花の色は赤いので、血に関係し、調経活血の作用があると理解します。朱砂もその赤を意味するところから、心に働き、鎮心安神の作用があると関連させていきます。

また五味も五臓に属します。例えば、辛味は肺に入りますので、葱白、生姜、細辛、などは辛味をもつため、肺に入り、解表散寒の作用を持ちます。

次に薬物の形態から連想します。例えば、鈎藤は人がひきつけを起したような形態をしているため、熄風止痙の効能があると関連付けます。何首烏で形が人に似たものは、元気を補うとされ、何首烏の中でも上等なものと考えられます。

磁石や真珠貝、牡蠣などは質量が重いので、重鎮の作用があると考えられます。

夏に盛りを迎える藿香、佩蘭、スイカの皮などは袪暑化湿の良品です。

また骨碎補などはその名前の通り、腎を補い骨を強める作用があります。

その他、夜交藤は安神寧心の作用があり、月月紅は養血調経の効能があるとされます。

このように、具体的な現象、形態から連想したり、抽象的なところから連想を広げ、暗記につなげていきます。

中薬の暗記については、1つの方法ですべてを暗記することができるわけではありません。そこで、上記の理論を応用しながら、理解を深めていくことが大切になってきます。

次回からは、14の記憶法を1つずつ紹介していきます。

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